SOAPマスターファイルは、薬物治療に取り組む者が、直ちに医療の現場で実践していけるものにするために、事前に、整理し頭に入れておけば対応できるという、疾患とその薬物治療の基礎知識をまとめることを目的としたものです。表1枚にSOAPに相当する事項を簡潔にまとめす。 SOAPマスターファイルをベースに、演習や具体的な症例に取り組み、応用力をつける、確認するというステップを考えています。従来、大学教育などで行っている個々の症例解析に取り組みながら応用力を深める方法では、個別論となりすぎ、全体の適用能力、応用能力養成の趣旨から外れるきらいがありました。 日本アプライド・セラピューティクス学会では、薬剤師が薬物治療にアクセスするためのワークショップを継続的に開催していくことを活動の一つに考えていますが、ワークショップによって、SOAPマスターファイルが疾患事にできあがっていきますので、このコーナーで紹介し、その成果を広く医療の現場におられる薬剤師に伝えていきたいと考えています。また、各職場、大学で各疾患別のSOAPマスターファイルが作成されました場合は、是非、学会にお寄せ下さい。このコーナーで紹介いたします。
緑内障SOAPマスターファイル例(pdf230kBytes)
再生不良性貧血SOAPマスターファイル例(pdf2,135kBytes)
高血圧SOAPマスターファイル例(pdf142kBytes)
市中肺炎SOAPマスターファイル例(pdf181kBytes)
日本アプライド・セラピューティクス学会では、「科学的・合理的に薬物治療を実践するためのワークショップ」を開催してきました。薬剤師が薬物治療に関与しその影響力を高めることが、我が国の薬物治療の質を高め患者の要望に応えるものになるとの期待からです。
症例解析コースでは、薬物治療に必要な知識の整理及び適用方法を学ぶことを目的としました。具体的には、適切な薬物治療を即応的に進めるためには、膨大な情報や知識を系統的に整理、理解し、記億することが必要となっており、そのため、疾患に関する基本的な情報や知識とその量をSOAP形式でA4一枚にまとめる作業を行い(SOAPマスターファイルの作成)、その知識を全て頭に入れた後に、参考資料などは手元には置かない状態で、それらの基本的知識の適用として症例解析を行うことが実践的な能力を向上させるためには必要と考え取り組んできました。しかし、ワークショップを通じてのみSOAPマスターファイルを作り上げるのでは現状に対応できていないと考えました。
そこで、2011年度に1年をかけて主要なおおよそ55疾患のSOAPマスターファイルを作り上げ、薬剤師が薬物治療に関与するための基礎作りを一気に進めたいと考えました。完成すれば、薬剤師が「薬物治療のジェネラリスト」として自らの地位を築くための基礎(財産)となると期待しています。また、学会が「薬物治療のジェネラリスト」の認定制度を作り上げるための基礎づくりになると期待しています。
会員の皆様には、意義を理解していただき、作成の作業に加わっていただくことをお願いします。多くの方々に加わっていただければ、個々にはあまりご負担がかからず、目的とする大きな財産を作り上げることができます。どうか、よろしくお願いいたします。
詳細は添付いたしましたファイルをご覧下さい。